エクトプラズム 怨霊の棲む家

エクトプラズムに主眼を置いた映画なんて初めてだなと思って映画館に観に行ってみた。
レイトショーって1,300円なのか。これなら前売り券買わなくてもいいな。しかも客が少なくて快適。
ストーリーはガンの治療中の息子のために病院に近い家を見つけて住み始めた家族が、家の怨霊に悩まされるというもので、悪魔の棲む家ポルターガイストを合わせてジャパンホラー的な演出を加えたような映画。呪怨やシャイニングを思わせる演出もあった。音で脅かすのはいただけないけど。
ただ他のと違って真面目なオカルトで、ポルターガイストみたいに変な光も出て来ないし、エクソシストみたいに首が回ったりスパイダーウォークしたりもしない。出てくるオカルト現象はすべて放射線治療の副作用による幻覚だとか、集団ヒステリーとかで説明のつくものばかりでとてもリアル。それでこそオカルトだよな。実話を元にしているというだけのことはある。他にもそういう映画多かったはずだけどこの映画だけはそれを信じてもいい。
そして牧師も出てきて家の謎を解いていこうとする。この辺はジャパンホラーみたいだな。
肝心のエクトプラズムは過去の幻影に出てくるだけで、グロいシーンもほぼ過去のもの。
そういえば悪魔の棲む家では人が怪我をしたりするような現象が起こったりしたけど、この映画は基本的にはそういうのはないので、これから観るという人は序盤の危なっかしいシーンとかでも怪我したりしないので安心して観よう。そんな本筋と関係ないところで怖がってもしょうがないからね。
人間ドラマのほうもなかなか良くて、ガンになった息子はもちろん、元アル中の父親に、どういう経緯で一緒に住んでいるのかは説明がないだけにいろいろ想像できる姪っ子たち。


というわけでこの映画はいろんな心霊物の映画の現実的な範囲での集大成といった感じでかなり出来が良かった。派手さはないけど安っぽさを感じないので手堅いオカルト映画を観たい人にお薦め。演技も音楽もいいし。ちなみに音楽はX-Filesみたいな曲(オープニングの曲みたいなのではない)。


いつものように少し前のほうに座ってたんだけど、映画のクレジットが終わって席を立って後ろを向いたら観客が一人もいなくなっていた!! (この話は実際にあったことを元にしています)