映画『怒りの葡萄』

貧しい農民の話としか知らなかったので、舗装道路をトラックが走るほど近代の話とは思ってなかった。
砂嵐で畑がダメになり、地主に追われた一家が仕事を求めてカリフォルニアを目指す話で、行った先も仕事がなかったり、やっと見つけた仕事は足元見られて安い給料で飼い殺し状態。
でも主人公が反乱分子と関わって事件を起こしてしまったためにそこからも逃げ出すことになる。
それで着いた先がこれまでとは一変、国がやっている住民同士で組織されたちゃんとしたコミュニティで仕事の斡旋もある。いいところもあるんだな。でも共産主義として反発を受けているらしくトラブルも招いているようだ。
だからといって別に左翼的な話というわけではないな。
なんというか、救いのあるプロレタリア文学みたいな感じ。
これからアメリカが大規模農場に移り変わる時に余ってしまった人たちがどうなるのかという、程度の差はあれ今後も繰り返されることになるテーマだな。テレビ業界とか音楽業界とか出版業界とかね。