映画『シテール島への船出』

あぁ、ユリシーズの瞳の監督か、変化の少ない画面をじっくりと撮る人なのでリラックスして観ないと入り込めない映画。今回はちゃんと入り込めた。
主人公の映画監督がそのままその老人の息子に扮して映画の中の話に移っていたらしいのだけどあとで粗筋を読んでそのことを知った。てっきり時間が前後しただけかと思ってた。
その老人はかつてロシアに亡命していたがギリシャに帰って来た。その故郷では土地を業者に売ろうとしており、老人はその邪魔をしたりする。回りを困らせる話なのかと思ったけどそういうのではなくて、ロシアでも結構していたことを妻に話したり、行方不明になったり。
最後はロシアに帰る船にも乗らず、家にも帰らず霧の中ただ海を漂うのだった。
観ていると霧の中をさまよっているような感覚に陥る。