おろち

夏休み中に定期が切れたところなので渋谷じゃなく新宿のバルト9に行った。映画館の名前をはっきり覚えてなくて、その場所はルミネを出てすぐ見えたんだけどWALD9って名前じゃなかったような? とか思ってたらドイツ語読みだったのか。丸井の9階から上が映画館。エレベーターが混んでるのでエスカレーターで。
9階のエレベーターのドアとかにおろちのポスターが貼ってあってそこそこ売り出してるようだけどテレビではCMやってるんだろうか? 見たことないな。案内のところのポスターには楳図かずおのサインとおろちのイラストが描かれていた。どこかの映画館では今日舞台挨拶とかやってたはずだ。落ち着かないのでそういうのは狙わなかったけど。
コーヒーは300円もしたけど量は結構あって深煎りだから映画を見ながら飲むには良かった。
座席は来たときは13しか開いていなかったんだけど、券を買ってから外のすき屋で昼食を済ませて帰って来ても12開いてた。左端の席だから後からのほうがいいかと思ってたら左が壁なので結局一番奥か。


映画のほうはというと、ポスターが赤の背景に緑や青の衣装にバラが咲いて蝶が飛んでたりするんだけど映画の中身はそこまで綺麗じゃない。そういうのを期待してたらちょっと残念だろうと思う。
ストーリーは29歳で醜くなり始める家系に生まれた姉妹の話。原作の『姉妹』と『血』を合わせることで姉妹の確執をより幅広く描くようにしているようだ。蜘蛛がボタンになるシーンはあったけど割れた皿の破片を数えるシーンはやっぱりないなぁ、あのシーン好きだったんだけど。絵の目を通して見る時の目の動きは実写だといい感じ。設定とあらすじとおろちの存在は原作通りだけどそれ以外は結構自由に作ったようだ。母が女優なので『洗礼』からも設定をちょっと借りてるのか、それとも『血』もそうだったっけ? 覚えてないや。そういや江戸川乱歩の『暗黒星』から借りてるシーンもあるな、あのフィルムが焼けて映写されてる顔が黒くなっていくところ。
おろち役の子は見た目はまぁ原作通りは無理(時代設定に赤茶の髪が合わない)としても後ろ暗さはあったのでいいか、でも声が幼いのが気になった。何百年も生きてるんだから声ぐらいは鋭かったら良かったのに、せめて独白だけでも。あと男役の設定が原作の好青年からチンピラっぽく変えられてる。舞台背景には合ってるけど嫉妬の対象にはならんだろう、あれでは。
それ以外は上出来。設定は恐怖漫画が原作だからともかくとして、背景とかセットとかは全然違和感なかったし演技も熱が入ってる。ただ、演技のしかたのせいもあるかもしれないけど、これは映画より演劇向きなんじゃないかってちょっと思った。
子役が成長後の姉妹に本当に良く似てる。
女同士の格闘シーンはすごく迫力があったなぁ。あれが一番の見どころかも知れない。
原作に無かった部分では娘の一人が母の映画のあるシーンで何かに気付いて何度も巻き戻させる部分がいいな。狂気の片鱗をうかがわせる。


おろち公式サイト


この映画の一番の謎はパンフレットがなんでうちわなのかってことかも。
そういや前売り券はなぜか九州のほうでしか売ってなくて、その特典は鏡だったらしい。そっちは映画に合ってるな。