映画『善き人のためのソナタ』

80年代のドイツで、保安省のヴィースラー大尉が劇作家ドライマンを監視・盗聴し始めるが、そこでドライマンが弾いたソナタを聴いて彼に心酔し始める。
ピアノがきっかけではあるんだけどはっきりとは描かれないので見ようによっては大尉がドライマンの彼女に惹かれたように見えたり、何か初めから理由があって近づいたようにも見えなくもないけど、タイトルがソナタだから素直にそう受け取るのが正解か。
最初は厳しく監視していた彼だけど、やがて東の自殺率についての記事を西に出そうとしているのを知りながら見逃したりもするけど、結局当局にしられてしまうことになる。
話はベルリンの壁が崩壊する少し後まで描かれるんだけど、直接会ったことのほとんどない二人が、その後も会わないままなのに友情のようなものを感じさせるいいラストだった。
東側の話ってあまり聞かないのでそれだけでも興味深い。同じ東ドイツで壁が無くなる前後の映画『グッバイ、レーニン!』とセットで観るのもいいかも知れないな。あれも面白かった。