映画『オペラ座の怪人』

女優のクリスティーヌはオペラ座に住む謎の怪人の声を聞き、その助言で成功するが、怪人の要求を無視して別の女優をたてようとしたために事件が起こる。という話。
何度も映画化されてる話なんでストーリーについては目新しいところはない。
吹き替えが劇団四季のバージョンだったんだけど、日本語でミュージカルは似合わないな。字数的に無理がある。

映画『墨攻』

中国が舞台だけど元々は日本人が書いた小説で、この映画はそれの漫画版をベースにした話になっているらしい。
趙の大群が迫る粱城が、非攻・博愛をとなえる墨家に助けを求め、それに応じてやってきた一人の男、革離が趙の大群を迎え撃つという話。
漫画も少し読んだことがあるけど途中まで読むだけでも結構長かった話がちゃんと時間内に収まっていた。でも急いだ感じはしない。
こういう少人数で城を守るとか攻めるとかいう話は燃えるよな。罠を作るのはもちろん、スパイ対策までちゃんとやってるし、革離を信用しない人とのいざこざもあるし。見ごたえのある映画だった。

映画『北の零年』

徳島から北海道へ移住しようとする開拓団が、廃藩置県によって藩を失い当主に置き去りにされてしまう。
それでも開拓を続けるけど、主人公の夫は札幌に向かったきり帰らず、残された主人公は雪の中で遭難して何故か外国人に助けられたと思ったら時は流れ、馬を育ててる。外国人関係ない。
強欲な商人に言い寄られたり騙されたりするあたりは面白いんだけど、そもそも開拓が大変そうに見えない(冬をあっさり越してしまった)。アイヌ箱館戦争の生き残りも都合よく配置されていたり、イナゴが来たり、なんかドラマありきで話を無理やりドラマチックに持って行こうとしているように見えるけど、そのことを気にしなければ人間ドラマ自体は安っぽいなりに楽しめた。

映画『善き人のためのソナタ』

80年代のドイツで、保安省のヴィースラー大尉が劇作家ドライマンを監視・盗聴し始めるが、そこでドライマンが弾いたソナタを聴いて彼に心酔し始める。
ピアノがきっかけではあるんだけどはっきりとは描かれないので見ようによっては大尉がドライマンの彼女に惹かれたように見えたり、何か初めから理由があって近づいたようにも見えなくもないけど、タイトルがソナタだから素直にそう受け取るのが正解か。
最初は厳しく監視していた彼だけど、やがて東の自殺率についての記事を西に出そうとしているのを知りながら見逃したりもするけど、結局当局にしられてしまうことになる。
話はベルリンの壁が崩壊する少し後まで描かれるんだけど、直接会ったことのほとんどない二人が、その後も会わないままなのに友情のようなものを感じさせるいいラストだった。
東側の話ってあまり聞かないのでそれだけでも興味深い。同じ東ドイツで壁が無くなる前後の映画『グッバイ、レーニン!』とセットで観るのもいいかも知れないな。あれも面白かった。

映画『題名のない子守唄』

イタリアのとあるマンションにやってきた仕事を探す女性。彼女はとある一家にメイドとして入り込み、何かを探しながらその家の娘にも取り入ろうとする。
最初のうちは目的が分からないんだけど、回想シーンや、働いている家の娘への一見歪んでいるように見える愛情の注ぎ方から少しずつ目的が分かってくる。
一方で彼女に復讐しようとしている男が一家を狙う。


なんだかこの前観た『この道は母へとつづく』と対になっているような感じだけど、子から母、母から子、向こうは無垢で一途な男の子だけど、こっちは女の執念の映画と真逆になっているようでいて、中身はなんにも対応しない。あぁ、なんとなくネタバレになってしまったけど、実際はさらにどんでん返しがあるから大丈夫か。


一番印象に残っているのは娘を縛ってなんども突き倒して起き上がる練習をさせているところ。一見何かの復讐のようにも見えるけど、そのかいもあっていじめっこにやり返せるようになる。

映画『キャプテン アブ・ラーイド』

ヨルダンの映画だそうだけど、ヨルダンって場所も知らないなと思って調べたら、エルサレムからは東のほう、サウジアラビアの北西のところだった。アラビアのロレンスを観た人に分かりやすく言うと、アカバの東側。
空港で清掃の仕事をしている老人がパイロットの帽子を拾ったことからパイロットだと思われて、世界を旅したつくり話を聞かせるようになるという話。
周りは貧しい子どもが多く、学校も行かずに商売をしているのを見かねて商品を買ってあげたり、虐待を受けている子を助けようとしたりと、パイロットのふりをしてから人生が大きく変わっていく。
最後はなかなか思い切ったことをするんだけど、そういえばこんな展開をする映画が昔あったよな、タクシードライバー? いや、他にも何かあった気がする。思い出せないけど。
でもこの映画の場合はあまり陰鬱にならずにしみじみと終わる。